新しい形の会社設立
本体はきわめて少人数でも、その企業を支えているアウトソーシング領域における雇用もこれにふくまれます。
事業規模の拡大には最先端技術を活用しますが、事業自体は既存の変革領域に属しているために、着実に成功することができます。
ただし、既存事業領域であるだけに、ビジネススピードと経営システムの革新性が不可欠となります。
市場の動向や競合他社との優位性が明確であるので、リスクはその割に少なく、ミドルリスターミドルリターン型ベンチャー企業だといえます。
した企業をいいます。
こうした企業では、規模拡大は主目的に置かれません。
情報技術や人材派遣、パートタイマーを活用した各種サービスに多いSOHOビジネスがその典型的なケースです。
規模の拡大を追わないので、それだけリスクが少なく、ローリスクーローリターン型の企業だといえるでしょう。
しかし、いかに成長意欲が低い自活型といっても、ベンチャー企業としてのなんらかの新規性をもっていないと、長期に事業を継続することはできません。
自活型ベンチャー企業が増加すれば、自主独立型人材を増やし、大企業・組織依存型の人材を払拭し、挑戦者を称賛する社会的風土を醸成することにつながります。
また、自営業、会社経営者の子弟は、そのほとんどが起業家になるという統計資料からも、自活型ベンチャー企業の増加が、明日の活力ある日本づくりに大いに貢献するのです。
米国に見るように、ベンチャー企業の広い裾野の中から、エベレストの頂点をきわめるような、世界的な先端技術型ベンチャー企業が生まれてくるということを忘れてはいけません。
起業家予備軍は、どのような環境で育ったのでしょうか。
生まれた地域・家庭、受けた教育、ビジネスでの経験、さらに起業家を孵化させるためのインキュベーター機関の影響など、起業家が起業意識に目覚め、その能力を高める経緯にはさまざまなケースがあります。
の起業家の自主独立意識や起業意識に多くの影響を与えています。
第二次大戦後の京都や浜松のように、一定地域で世界的な企業が輩出した例もあります。
京都地域と、ベンチャー企業を輩出した静岡県浜松周辺が、二大地域です。
しかし、子供たちが地域よりもさらに影響を受けるのは家庭です。
家庭、特に親の職業の影響と起業家とは、どのような関係があるのでしょうか。
世界五力国の調査による起業家の親の職業を見ると、親の職業でもっとも多いのは、企業経営者と自営業で、その次が会社などへの勤務者のうち専門職や管理職です。
また、ドイツや韓国は、特定領域の専門家、あるいは大学・研究所などの教職員の親からの起業が目立ちます。
いずれの国でも、勤務者としてのワーカーや、国および地方公務員の親からの起業家は少ないようです。
このことから、日常的に生活している家庭、特に親の職業からの影響が多く、自然に起業意識が醸成されていることが推測されます。
企業経営者や自営業の親からは、働き、自活しているありさまを、あるいはビジネスの喜怒哀楽を見聞きすることが多くあります。
また、ドイツをのぞき、同じ勤務者であってもワーカーの親よりも、圧倒的に管理・専門職の親からの起業が多いのは、家庭の中で企業の経営管理、あるいは特定専門領域の会話が頻繁になされるからでしょう。
特に日本では、起業家の四〇%の親が、企業経営者や自営業です。
自活型の親の子弟は、そうでない家庭よりも圧倒的に起業家になる確率が高いといえます。
ベンチャー企業を「リスクを恐れず新しい領域に挑戦する若い企業」と考えるとき、この牽引車である起業家の学んできた教育内容や学歴は、どのような状況になっているのでしょうか。
日本では平成のバブル崩壊後、全員が中流意識をもつという状況が徐に変わりつつあります。
しかし、依然として子供たちは幼稚園期から受験体制に組み込まれ、膨大な教育投資のうえ、偏差値の高い大学に入学し、偏差値の高い有名企業に入社し、高い教育投資の早期回収と安定した生活を送ることをめざしています。
しかし、「有名企業=成熟あるいは衰退企業↓早期退職制度による実質解雇↓専門能力のない挫折の人生」になる可能性が、スピードの速い今、ますます高くなっています。
昨教育投資こそ、自主独立精神を育て、他人とは異なる独創性を高め、自己の能力をフルに発揮する人生を歩む糧になるはずです。
ですから、高学歴になるほど、自己の能力を高めているので、起業家になる確率が高いという仮説がなりたちます。
世界五力国の起業家の学歴を見ると、起業家の学歴を考えるとき、大学および大学院の進学率を考慮しなければなりません。
先進国では、大学は三五〜五〇%程度ですが、大学院は五〜一三%程度と差があり、特に日本が低い・ことがわかります。
日本では、大学院進学者の起業割合は、全体の二・八%であり、大学院進学者全体の約五〇%にしかすぎません。
他の先進国では、大学院進学者の起業割合は、全体の二ご丁四一%に達し、大学院進学者全体の割合の約二倍です。
日本をのぞけば、高学歴になるほど、自己の能力を高め、自主独立意識が高まっているので、起業家になる確率が高いという仮説がなりたちます。
これは、他の国では起業スキルを学べる経営大学院(MBA)が多く、理工系の大学を卒業し、勤務経験後大学院で起業スキルをさらに高めることができることとも関係があります。
専門知識と経験の深い大学院生か、日本ではサラリーマンで終わり、安定と安易さに終始している一方、他国では自ら経済社会に付加価値を生み出すべく、ベンチャー企業を起こしています。
日本で先端技術活用型のグローバルベンチャーが輩出しないのは、社会的風土とともに、大学院教育と高等職業専門教育に問題があることを意味しているのです。
しかし、日本でも理工系大学でベンチャー・ビジネスが開設、日本ベンチャー学会が九七年十一月に組成され、約五十の大学でなんらかの起業教育が始まっています。
日本の高学歴者の起業確率が高まるのは、これからです。
他方、日本の起業家の学歴が進学率構成にほぼ近いということは、日本の起業環境は学歴に関係ない、きわめて平等な社会であるともいえます。
特に米国と比較すると、その差は明確です。
米国では、大学卒業以上でないと、起業家へのチャンスがきわめて少なくなっています。
将来の自己の夢を達成するためには、過去の体験を生かすことが得策です。
その事業を熟知しているので、それだけリスクが少なくなるからです。
起業家の予備軍は、学生、主婦、定年退職者など多様ですが、ほとんどの起業家は、いわゆる「サラリーマン」経験者です。
それでは、起業する前の起業家の職業経験はどのようなものでしょう。
世界五力国の起業家を比較してみましょう。
世界五力国で見ると、起業前の経験会社数は、欧米ではご丁四社ですが、日本と韓国は二社であり、長期勤務希望者が多いことを意味しています。
さらに、勤務した企業の規模を比較すると、中小企業の少ない韓国をのぞき、従業員規模が百人未満の小企業経験者が多いようです。
これは、次の三つの理由によると考えられます。
米国では、就職ご丁四年後に、経営学修士、百〜二百人規模の企業に就職し、幅広い経験を積み、起業時の仲間を探しながら、十年前後で転職して起業するというのが通常のパターンです。
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